今までありがとう。山間の小学校「竜沢分校」解体完了 双子の兄弟だけで過ごした6年間、上山市の歴史に幕
市街地から約30分、上山市 高松に位置する「竜沢(りゅうざわ)」地区。畑作業などで使われている建物や土地はあるものの、年間を通して住む人はいない。
地区が栄えていた頃、1896年に西郷第二小学校「竜沢分校」は開校した。当時は田んぼに囲まれる農作業が盛んな地区で、30世帯ほどが暮らしていた。分校には教室や体育館はもちろん、山間の分校ならではの炊事場・風呂・宿直室なども設けられていた。
開校から1991年までの95年間は年中使用されていた分校であったが、児童数の減少に伴い「竜沢冬季分校開校式」と「創立95周年記念式」が同時に開かれた。これにより、1992年からは「竜沢冬季分校」として新たな歩みを始める。
時は進み、2006年。多い時で30人以上が学ぶ分校は双子の兄弟のみとなり、閉校に至った。閉校してからは市が運営する地区の公民館として使用されていたが、木造で建築から100年以上が経過する建物であったため、老朽化が目立っていた。その頃、竜沢分校の本校である「西郷第二小学校」も2015年に閉校、南小学校へ統合となる。
筆者が初めて竜沢に訪れたのは2021年9月。この時はまだ分校は原型をとどめていた。2022年4月、龍神桜を見ようと2回目の竜沢に訪れた時、分校は変わり果てた姿になっていた。校舎西側の体育館は雪の重みと老朽化により大きく崩れ、昇降口から東側の部分のみが残っていた。
市は、閉校後から検討していた竜沢分校の解体を今回の建物倒壊の影響もあり優先的に準備を進め、2022年6月に「旧竜沢分校解体工事」として羽陽建設株式会社が765万円で落札、校舎全体及び南側の階段と遊具の解体が完了した。2023年4月に訪れた時には道路沿いの階段のみが残る、幻の分校となった。
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