かみのやま温泉の源は?なぜ温泉がある?「源泉と配湯方式」を詳しく調べてみました
なぜ上山市に温泉があるの?
上山市は東に蔵王山、西に白鷹山があり、いわゆる「盆地」となっています。この蔵王山や白鷹山から来る雨水や雪解け水が上山市の市街地周辺にゆっくりと集まってきます。これを「地下水循環」と呼びます。集まってきた水は、約−100kmのプレート付近にあるマグマにより熱せられ、様々な断層を通過し地表付近へと移動してきます。
かみのやま温泉は、南西から北東方向に一直線上に並ぶ「断層帯」から湧出しているものと考えられています。この断層帯は、花崗閃緑岩・凝灰角礫岩・安山岩・凝灰岩などから形成されています。
ここで1つ不思議なことがあります。かみのやま温泉の泉質は食塩の成分と似ている部分がありますが、それらの断層帯から溶け出したものではないのです。
研究結果によると、太平洋プレートが日本列島の地下深くに潜り込む際に海底の底質(海水を含む泥など)を巻き込み、その底質が含まれているプレート付近のマグマから「NaCl(塩化ナトリウム)」成分が上昇して地下水と混ざっていると言われています。かみのやま温泉は、地球規模の海水と天水の循環が一体となった、まさに地球からの賜物なのです。
かみのやま温泉は、ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉(低張性弱アルカリ性高温泉)と呼ばれるpH7.8の泉質であり、無色透明の無臭でわずかに塩味を有しています。
効能としては、切り傷、やけど、慢性皮膚炎、虚弱児、慢性婦人病、動脈硬化症、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節こわばり、打ち身、捻挫、慢性消化器疾患、痔疾、冷え症、病後回復期、疲労回復、健康増進、乾燥肌、軽度な高コレステロール血症、ストレス解消などが挙げられます。
市内5ヵ所にある源泉とは
上山地区源泉
上山地区源泉 | 1号 | 2号 | 3号 |
---|---|---|---|
住所 | 元城内5-5 | 新湯2-8 | 鶴脛町1丁目6-2 |
泉温 | 64.0℃ | 69.0℃ | 67.0℃ |
深度 | 350m | 280m | 402m |
揚湯量 | 400L/min | 〃 | 〃 |
揚湯方法 | 水中ポンプ | 〃 | 〃 |
泉質 | ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉(低張性弱アルカリ性高温泉) | 〃 | 〃 |
完成 | 昭和53年11月 | 昭和53年11月 | 平成22年3月 |
葉山地区源泉
葉山地区源泉 | 1号 | 2号 |
---|---|---|
住所 | 葉山7-3 | 河崎3丁目6-47 |
泉温 | 63.0℃ | 69.0℃ |
深度 | 237m | 352m |
揚湯量 | 400L/min | 400L/min |
揚湯方法 | 水中ポンプ | 〃 |
泉質 | ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉(低張性弱アルカリ性高温泉) | 〃 |
完成 | 昭和53年11月 | 平成22年3月 |
手元に届くまでの道のり
それぞれの地区源泉は、送湯管を通じて上山地区源泉は「上山配湯所」へ、葉山地区源泉は「葉山配湯所」へ送られます。上山配湯所は上山地区1号源泉の近く、葉山配湯所は葉山地区2号源泉の隣にあります。その後、「上山貯湯槽」及び「葉山貯湯槽」で貯湯及びそれぞれの源泉が混合され、「上山地区配湯管」及び「葉山地区配湯管」を通じて各施設へお湯が供給されます。
この配湯管はループ状になっているので、余分なお湯は「上山地区返り管」及び「葉山地区返り管」を通じてもう一度「貯湯槽」へ戻ってきます。これを「集中管理方式」と呼び、他にも複数の配湯方式がありますが、集中管理方式だとコストはかかるものの貴重な温泉資源を無駄なく使用することが可能となります。
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