知られざる上山市の穴場「仙石の岩観音」とは。そこには134体の観音尊像が安置されている

そこは巨石や奇石から成る峡谷 = 2023年2月24日 仙石の岩観音
そこは巨石や奇石から成る峡谷 = 2023年2月24日 仙石の岩観音
岩観音の案内板 = 2023年2月24日 熊野神社隣
岩観音の案内板 = 2023年2月24日 熊野神社隣
分かれ道の左側を進む = 2023年2月24日 仙石
分かれ道の左側を進む = 2023年2月24日 仙石
岩観音へ通じる石段 = 2023年2月24日 仙石の岩観音
岩観音へ通じる石段 = 2023年2月24日 仙石の岩観音
大きな氷柱と左上に岩観音 = 2023年2月24日 仙石の岩観音
大きな氷柱と左上に岩観音 = 2023年2月24日 仙石の岩観音
そこは巨石や奇石から成る峡谷 = 2023年2月24日 仙石の岩観音
岩観音の案内板 = 2023年2月24日 熊野神社隣
分かれ道の左側を進む = 2023年2月24日 仙石
岩観音へ通じる石段 = 2023年2月24日 仙石の岩観音
大きな氷柱と左上に岩観音 = 2023年2月24日 仙石の岩観音

急坂にある仙石集落。そこには名勝と呼ばれる岩観音がある。坂や石段が続く道のり、その先には大きな岩壁。その至る所には100体を越える観音尊像が安置され、150年以上人々から信仰されてきた。一体なぜこの場所に岩観音が、そこに募る想いとは。

「岩観音」それは上山市に2ヵ所存在する。1ヵ所目は上山三十三観音の「小笹村小豆森観音」、そして2ヵ所目は今回の目的地「仙石の岩観音」である。三十三観音は2年前に動画・記事として公開済みなので、気になる人は確認してみてほしい。

仙石(せんごく)の岩観音は以前から知ってはいたものの、詳しい場所が分からず中々出向くことが出来ていなかったが、終冬の今日この頃やっと岩観音に行ってみることにした。

約500m続く仙石坂 = 2023年2月24日 仙石
約500m続く仙石坂 = 2023年2月24日 仙石

仙石とは、市街地の東側にある急坂に広がる集落だ。仙石坂と呼ばれている約500mほどの坂を上り、左側に高仙寺という寺が見えた頃、「名勝 岩観音」「岩観音の由来」と書かれた看板が現れる。看板から岩観音まで約500m、途中まで車で行くこともでき、2台ほどが停められる駐車場もある。また「仙石いわぶき会館」にも駐車出来るようだ。

平地はほとんど雪が残っていないが、ここは山で木の陰ということもあり、まだ雪が残っている箇所もあった。少し進むと「岩観音入口」の看板、杉林の中を進んでいく。

隣を流れる小川を眺めながら歩くこと2分、石段が現れた。倒木もあり、地面が濡れているため注意が必要だ。石段を進むと、大きな岩と木造の東屋が見えた。岩観音はすぐそこだ。

岩観音への入口 = 2023年2月24日 仙石の岩観音
岩観音への入口 = 2023年2月24日 仙石の岩観音

仙石の岩観音の由来

この仙石部落の上方山あいには、古くから「仏の山」とか「小山寺」と呼ばれる巨岩、奇石でできた峡谷があります。

藩政時代、仙石村の庄屋役であった工藤源左エ門翁は常に観音菩薩を深く信仰していました。しかし当時は、京阪地方に巡礼することはたいへん困難なことでした。そこで翁はここに観音像を彫立して庶民に福得利益を得るようにしたいと発願し、近在の人々とともにおよそ三年の苦労の末、西国、秩父、坂東、最上の各三十三箇所の観音大士尊像百三十四体を彫り上げました。

これを「小山寺」と呼ばれる岩のところどころに安置して文字通り「仏の山」にしたのです。時に安政五年(1858年)のことでした。それからは誰いうとなく「仙石の岩観音」と呼ばれて人々の信仰の山となりました。

祀られている岩観音 = 2023年2月24日 仙石の岩観音
祀られている岩観音 = 2023年2月24日 仙石の岩観音

実に、ここには134体の観音尊像が、人の数倍いや数十倍にもなる高さの岩の所々に安置されている。岩壁が広がるとても静かで穏やかな場所。

小笹の岩観音と同じ様に周囲全体が霊場であろう。雪のため近くで確認出来なかったが、奥側の岩にも観音尊像が安置されている。上山にこんな場所があったのかと驚いた。

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